活動方針 Policy
2023・2024年度活動方針
化学総連の活動のあり方について
化学総連は産業政策活動の強化を⽬的に、2017 年度より現在の組織体制に移⾏し 6 年が経過しました。化学総連がこれまで取り組んできた「友愛と信義」に基づく絆と連携で、様々な共通課題
の解決に向けて取り組んで参りました。
⼀⽅、2021 年度において役員銓衡委員会が主体となり、化学総連の将来のあり⽅を加盟する組織
代表者と意⾒交換を⾏い、取りまとめた内容を背景に 2023 年度(2022 年 10 ⽉)から⾮専従会⻑
による組織体制に再編成することが幹事会で決定されました。
それを受け、2022 年度に設置した 2023・2024 年度活動⽅針検討委員会で化学総連の基本姿勢に
則りながら組織体制や取り組み⽅法の議論を重ね、各専⾨委員会・研究会、地⽅連絡会議(地連)
のあり⽅を検討しました。その結果、これまで研究会として運営をしてきた「⼈と技術の未来研究
会」の実績にある、先を⾒据えた新たな技術の情報共有や知⾒蓄積、政策提⾔など取り組んできた
機能を政策担当に引き継いだ上で研究会を発展的に解消し、3 つの専⾨委員会「環境安全委員会」
「エネルギー政策委員会」「多様な働き⽅検討委員会」に再編成します。また、地⽅連絡会議(地連)
については、現場を運営する地連幹事と⼀層の連携強化を図ることを⽬的に「地連活動強化委員会」
を発⾜し、活動の充実を構築します。加えて、事務局内の政策担当者の⽴ち位置と責務を明確化す
るため、「政策局」として再編成して参ります。
化学総連の取り組みはいつの時代においても、直⾯する⼤きな環境変化に対応し、化学産業で働
く組合員の求める姿となれるよう、これからも活動を進めていきます。さらに各関係省庁や業界団
体を巻き込んだ化学産業施策に関する情報の収集・発信、意⾒提⾔活動(政策要望・パブコメ)等
の産業政策活動を今まで以上に注⼒しつつ、新しい時代への対応等を加速して参ります。引き続き
「誰からも⽀持される真にプロフェッショナルな産別組織」を⽬指します。
化学産業における環境安全への取り組み
環境安全委員会では、モノづくりの前提にある「ゼロ災害」を重要課題とした安全活動、安全意識向上に向けて取り組みます。また、化学物質管理や様々な環境保全活動及び、現場⼒を発揮でき
る⼈材の確保と技術⼒による安全・安定⽣産に向けたプロセス構築についての情報共有や提⾔活動
にも取り組みます。
安全については、安全活動、意識の向上に繋げることを⽬的に、災害事例などについての情報共
有と⽔平展開のさらなる充実に取り組みます。また安全ポスター、安全標語等による安全意識を⾼
める啓発活動に取り組むとともに、各単組のリーダーを対象とした勉強会、安全体感施設、異業種
企業などの⼯場⾒学や安全活動の情報交換を⾏い、安全知識の向上を図ります。さらには業界団体
(⽇化協・⽯化協など)が主催するセミナー等に参加し、安全に関する知⾒を⾼めるともに、企業
内労使で活発な議論を⾏うべく問題提起や情報提供も⾏います。
2013 年、2018 年に実施している安全に関するアンケートについて、今後の実施に向けての検討
を⾏います。
化学物質管理については、グローバルにおいて化学物質のライフサイクルにおける対応も動きつ
つあるなか、また国内においては法規制と事業者の⾃主的取組み等の組み合わせた取組みを推進す
る動きがあり、今まで以上に化審法、化管法や、国際的な化学物質管理規制などに関する取り組み
の情報収集を⾏うとともに、情報共有を⾏いより安全で安⼼できる化学産業を⽬指すべく、提⾔活
動を展開していきます。
環境保全活動については、持続可能な開発⽬標(SDGs)やカーボンニュートラルに関する先進的
に取り組む事例及び、化学産業における取り組みについて情報共有を実施していきます。また、海
洋プラスチックごみ問題については、化学産業に働くものの⼀員として海岸に漂着した廃棄物など
のクリーンアップ活動も積極的に実施していきます。
化学産業の強靭化を目指したエネルギー政策への取り組み
エネルギー政策委員会(旧エネルギー・税制委員会)では、中・⻑期的課題である「エネルギー政策」に対して、引き続き取り組みます。
業界団体(⽇化協、⽯化協など)や経済産業省を中⼼とした関係省庁、さらには国会議員と連携
をとりながら、現状の共有化や今後の動向把握、課題認識に努め、「化学産業の持続的・健全な発展
を図り、社会に貢献し、魅⼒と誇りの持てる産業を⽬指し、化学産業に働く仲間の雇⽤と⽣活を守
っていく」という従来からの基本的な考え⽅に沿った政策提⾔を⾏います。
とりわけ、電⼒多消費産業としての⽴場から、「脱炭素社会に向けたエネルギー戦略」として省エ
ネ、創エネ、蓄エネといった次世代エネルギー政策に関する取り組みを⾏うとともに、脱炭素を⽬
指したエネルギー源としての⽔素・アンモニアの活⽤推進、次世代蓄電システムの普及、クリーン
エネルギー(CO2 フリー)の拡⼤、化⽯燃料からの転換などについても着⽬し、情報収集を⾏いな
がら⽇本のエネルギー事情についての現状確認を⾏います。また、エネルギー政策に関する知⾒を
深めることを⽬的に、エネルギー関連施設の⾒学会を検討します。
加えて、これまで⼈と技術の未来研究会で取り組んできた、10 年 20 年先を⾒据えた新たな技術
について様々な形で情報収集を⾏い、これから化学産業として対応をしなければならないエネルギ
ー政策に関する技術について調査していきます。
さらに、エネルギー問題は⾝近な課題であるという認識を広めるために、「家庭における省エネの
取り組み促進」の検討も進め、私たちができるエネルギー政策の提⾔につなげていきます。
これらエネルギー政策を通して、化学産業の持続的発展に寄与する活動に努めます。なお、これ
まで注⼒してきた税制改正に関しては、情報収集や解析業務に⾼度な専⾨性を要するため政策局に
移⾏します。
社員の多様化に対応した働き方への取り組み
多様な働き⽅検討委員会(旧新しい働き⽅研究会)では、企業における「働きがい」の向上や働き⽅に関する法施⾏の動向とその共有、さらには企業の原動⼒となる⼈材の発掘や育成に関する課
題について取り組みます。
「働き⽅改⾰」を推進していく⾵潮に加え、新型コロナウイルス感染拡⼤により働き⽅が⼀変し
ました。在宅勤務をはじめとするテレワークが推進されつつも、化学業界ではオフィスと製造現場、
都⼼部と地⽅など浸透に違いが⾒受けられます。委員会として課題認識を持ち、今後の働き⽅の動
向を確認しながら加盟組織との連携を図り、どのように浸透・展開できるか情報の共有化に努めて
いきます。
また、Well-being の推進を⽬的に前年度実施した幸福度診断結果を踏まえて、幸せに働くために
何ができるかを追求する取り組みを展開していきます。
働き⽅に関連した法制度に関しては、今後の働き⽅や多様な⼈材が活躍できる労働環境の整備が
重要となることから、社会動向を踏まえながら加盟組織の各社で継続的に対応されている内容の確
認を⾏うとともに、政策局と連携を図りながら、労働者の⽴場からパブコメをはじめとした外部へ
の提⾔活動を積極的に進めていきます。
加えて、これまで⼈と技術の未来研究会で取り組んできた「⼈材の発掘や育成」を承継しながら、
勉強会や研修会を通じて加盟組織の次代を担う⼈材への学びの機会を提供することや、「より柔軟
な働き⽅の実現」「やりがい・働きがいの醸成」に繋がる企画を考え、引き続き、さらなる知⾒の蓄
積や情報の共有に注⼒していきます。
地方連絡会議のさらなる活性化への取り組み
地連活動の活性化に向けて「地連活動強化委員会」を新たに発⾜し、サポート体制を構築します。
各地連で開催される拡⼤幹事会やブロック交流会等の会議に、地連活動強化委員会が化学総連代表
として参加し、地連活動の活性化を図ります。また、化学総連の現況や各委員会で進めている活動
内容を都度紹介するとともに、現場の諸課題についても意⾒交換を⾏うなど、相互のコミュニケー
ションを通じて“より⾝近に感じる化学総連“に繋がるよう積極的に取り組みます。現在、徐々に集
合形式の会議体も計画できる環境に戻りつつありますが、ウィズコロナやアフターコロナにおいて
も Web の活⽤を継続することで、さらなる活動の充実に向けた運⽤を進めていきます。
各地連の皆さんとの意⾒交換は地連活動強化委員会を中⼼に展開しますが、幹事会メンバーとの
意⾒交換や交流の場を設けることで、産別としての役割と活動の理解促進や連携強化に努めます。
加えて、地連活動のコミュニティーとして関係企業労組の皆さんの参画を進め、限られた加盟単組
⽀部での運営となる地連においては隣接地連との合同幹事会の開催を⾏い、ブロック研修・交流会
においては、加盟単組⽀部間の課題共有と交流が⼀層深められるよう⼯夫をしていきます。
地域課題については、労働者・地元⽣活者の視点で事業や⽣活の改善が進められる産業政策活動
を推進する他、清掃ボランティア等の⾝近な政策活動の充実も⽀援します。また、参考事例の共有
や情報提供等、事務局・政策局によるサポートもより強化していきます。
事務局による化学総連定例行事運営
定例⾏事は事務局・政策局が主体となり開催します。必要に応じて幹事会メンバーや各単組の書
記⻑・事務局⻑にも協⼒を要請しながら運営します。
各研修会のテーマは、テーマアップアンケートの結果を参考に、時代背景を考慮して選定してい
きます。
さらに事務局と政策局で、化学総連の全ての活動に対するアンテナとしての役割を果たすべく、
中央⾏政や地⽅⾏政、国・地⽅議員、化学産業の各業界団体ならびに他産別との良好なコミュニケ
ーション作りに努めます。
定例行事
- 年度研修会:定期大会に連動して9月に開催します。
- 幹部研修会:1月に講演会や研修会の形式で開催します。テーマアップアンケートの内容や時代背景を考慮しテーマを選定します。
- 労使勉強会および労使懇談会:労使勉強会を11月にハイブリッド形式で、労使懇談会を7月に東日本地区で開催します。
- 支部役員研修会:11月にWeb形式で開催します。化学総連の組織・活動への理解を深めるための講演や、Web会議でのファシリテーション能力を高めるための講演、各単組の活動状況について情報交換を行う分科会を企画します。対象は各単組の最前線で活動する支部役員、職場役員、関連企業労組連携単組役員とします。
- 担当者会議(単組運営):単組運営に関する担当者の会議を開催します。各単組が抱える課題や今後の労使課題などについて情報共有や課題の深堀りを行い、必要に応じて講師を招いた勉強会などを開催することも視野に入れて実施します。
- 担当者会議(調査):加盟単組の調査担当者の会議を開催します。各単組の先進事例や春季・秋季労使交渉の状況について充実した情報交換を図ります。Web版労働条件基本台帳やオプション調査など、化学総連ホームページを活用したタイムリーな情報交換についても、この会議のメンバーを通じて実施します。
- 海外労働事情調査団:各国におけるCOVID-19の感染拡大を踏まえながら、世界各国の経済情勢や化学産業の動向を参考に、訪問国の労働事情調査や現地駐在員の生活実態把握など、労働組合の視点に立った内容で企画します。
関連企業労組との連携促進について
関連企業労組が化学総連諸活動に参画しやすい環境の整備や事務局を主とした活動の紹介を通じ、連携促進に向けて議論を継続します。また、新たな関連企業労組との連携についても検討を行います。
社会に貢献し魅力と誇りが持てる組織を目指して
化学産業は、国内を代表する基幹産業として、国民が希望のもてる社会の実現や地球環境を守るために大きな役割を果たしています。化学総連は、化学産業の組織として責任と自覚を持ち、化学産業の重要性を広くPRするための広報活動やカンパ、ボランティアなどの社会貢献活動への取り組みを進め、国内外から魅力ある組織、そして、そこに集う仲間が誇りを持てる真にプロフェッショナルな、選ばれ続ける産別組織を目指していきます。
具体的活動
- 機関紙「群萌」は、化学産業の貢献や化学総連の活動を知ってもらうなど内容の充実を図り、年4回の発行を基本として取り組みます。
- ホームページを有効活用します。加盟単組のニーズを把握しながら掲載内容の充実を図り、政策課題や具体的な取り組み、その成果・効果等を広く内外へ発信します。
- 一般向けホームページは、化学総連の諸活動を掲載し活動の見える化に取り組みます。また、アクセス解析やリニューアルを実施することで、内外への発信力強化を図ります。
- 会員向けホームページは、各単組の情宣活動に活用できるような資料を掲載します。
- 社会福祉活動の一環として、年末社会福祉カンパの取り組みを行います。寄与されたカンパ金は、化学総連社会貢献活動基金として積み立て、その一部を災害義援金や止揚学園、子どもの未来応援基金、あしなが育英会、セーブ・ザ・チルドレン子ども基金、ユニセフ募金へ拠出します。また、「化学総連の森づくり」活動の一環として、公益社団法人国土緑化推進機構の推進する緑の募金(国内)と、公益財団法人オイスカのプログラムである子供の森計画(海外)、大阪マラソンへそれぞれ寄付を行います。
- 公益財団法人オイスカが取り組む、東日本大震災復興支援事業である「海岸林再生プロジェクト」へのボランティア派遣や「オイスカ子供の森計画」の視察を計画します。
- 海洋プラスチック問題に対し、海岸に漂着した廃棄物などのごみのクリーンアップ活動を積極的に実施していきます。各地連で行政や各種団体との共同実施や、我が国のなかでも海洋漂着物が多い長崎県対馬市で活動する一般社団法人対馬CAPPAへの派遣・協力を行います。
外部組織との連携について
化学総連は、化学・エネルギーの産業別労働組合(産別)が現状の組織を維持した上で、産業政策課題を中心に、必要に応じて情報交換を行うなど緩やかな連携が図れるよう求めていきます。化学産業全体のために取り組む活動については、日化協・石化協を主としつつ様々な団体と連携を図り、化学産業の認知度向上を目指していくとともに、直面する政策課題に積極的に取り組みます。