会議の概要
2015年9月29日(火)、神戸ポートピアホテルにて2016年度研修会が開催されました。
今年度の研修会では、講師に関西大学理事・社会安全学部教授・関西大学社会安全研究センター長で、阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長を務められる河田惠昭氏をお招きし、『災害多発・激化時代の沿岸防災・減災』と題して、近年頻発する災害事例をもとに、これからの災害多発時代とどのように向き合い、また乗り越えていくべきか、学術的視点から詳細に解説を頂きました。
講演では、「知識、情報、教訓がいのちを助けてくれる」「勇気がなければ命を亡くす」など、私たちが災害と向き合っていく上で、最低限必要な考え方を説かれる一方で、明日襲来するかもしれない次なる災害に対し、私たちには危機意識がまだまだ不足しているとの指摘も頂きました。
また、東日本大震災を振り返りつつ、化学産業にも大きく関係する沿岸部におけるリスク(埋立地の液状化や同時火災発生時における化学消火剤の不足など)に対し、それぞれの企業が最悪の被災シナリオを想定し、最悪の事態を回避するための最優先事項を関係者の中で状況認識の統一を図っていく必要がある。加えて、最悪の被災シナリオは、背景に潜む私たちと災害との心理的距離感を近づけるばかりではなく、具体的な災害像を思い描くことを可能にし、想像力が豊かになるとのご意見を頂くなど、我々の意識改革の必要性が再認識できた研修会となりました。